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   世に出でて風に流れて五十年
         ひねくれ者やシャクナゲの花


 
早逝した父親の辞世と聞いたが三歳児の記憶するところではない。ひねくれながらもえらく生真面目であったらしいと言うのは遺した仕事から推察している。父親の死んだ年齢をトウに超えた今頃、何でも望むものを授けようぞと神様か誰かに言われたら美女も何も要らぬ、ひねくれ者の父親とひと晩語り合ってみたいと思う。
 我が家の狭い庭に去年植えたシャクナゲがまもなく花開く。


庭先の花々
           

            
      

 
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