歯周病を総合的に分類すると次のようになります。
1 歯肉炎 1)単純性歯肉炎 2)複雑性歯肉炎 3)歯肉外傷
2 歯周炎 1)慢性歯周炎 (成人性歯周炎)
2)急速性歯周炎=若年性歯周炎・急速進行性歯周炎・特殊性歯周炎
3 咬合性外傷(←クリック)
上記分類のうち歯肉炎で最も多い単純性歯肉炎と歯周炎でもっとも一般的な慢性歯周炎について説明します。
まず歯肉炎と歯周炎の違いですが、歯肉炎は局所因子(細菌とその産生物を含む)の刺激に対する炎症性反応で、炎症は歯肉に限局し、歯根膜や歯槽骨に及んでいません。。歯周炎は炎症性破壊が歯肉から深部の歯槽骨や歯根膜に及んでいるものです。
単純性歯肉炎は局所因子としてのプラーク(歯垢)によって歯肉に炎症が惹き起こされたものをいい、全身性因子の関与は少ないのが一般的です。
慢性歯周炎(成人性歯周炎)は局所因子(プラーク)による歯周組織の反応が全身性因子によってとくに修飾されていない歯周炎で,慢性に進行します。成人に見られる歯周炎は殆どすべてがこれに属します。けれど咬合性外傷や糖尿病などの全身性疾患が修飾因子に加わると急速に進行する可能性があります。歯周組織の破壊の程度すなわち歯槽骨の吸収状態、歯周ポケットの深さ、根分岐部病変、歯の動揺度などを総合的に考慮して軽度歯周炎、中等度歯周炎、重度歯周炎の3段階に分類されます。
下顎前歯部の重度歯周病による歯槽骨吸収と歯根露出
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