「エムドゲイン」と「GTR」、あまり聞きなれない言葉だと思いますが、簡単に言えばどちらも歯周病によって失われてしまった歯槽骨の再生を促す治療法です。 このうちエムドゲイン法は吸収してしまった部分に直接、歯周組織の再生を促すような薬剤を塗布する方法です。 またGTR法は歯の周りにメンブレンという特殊な膜を張り、歯槽骨の吸収してしまった部分に歯肉が入り込むのを阻止し、歯周組織の再生を待つ方法です。
エムドゲインは、スウェーデンの会社が開発した新しい歯周組織を再生させるための再生誘導材料です。エムドゲインの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子どもの頃、歯が萌出するときに重要な働きをする蛋白質の一種です。歯周外科手術の際に、手術部位にエムドゲインを塗布することにより、歯の発生過程に似た環境を再現します。こうして、初めて歯が生えたときと同じような強固な付着機能をもつ歯周組織の再生を期待する治療法です。
GTR法は特殊な薄い膜(メンブレン)を用いて歯槽骨の再生を誘導する方法です
歯周病によって破壊された歯槽骨などの歯周組織は、原因を除去することによって再生しようとしますが、通常は歯槽骨が再生されるよりはるかに急テンポで歯肉がそこに入り込み歯周組織の再生を阻んでしまいます。そこで、歯周ポケット内部を清掃した後にメンブレンと呼ばれる膜を用いて歯肉が入り込まないようにします。その結果膜の下で歯周組織が再生を始め、ゆっくりと成長していきます。この成長には時間を要しますので、メンブレンの下が新しい組織で満たされるまで一定期間そのままにしておきます。もう一度麻酔下で膜を取り除く場合と、組織吸収性の膜を用いて1回だけの処置で済ませる場合とがあります。
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