2-10 歯周病と喫煙の関係


 
 疫学的な調査で歯周病とタバコの密接な関係が確かめられています。特に20年以上しかも1日20本以上吸っている人は重症の歯周病に罹患する割合が高くなっています。歯周病を増悪させる理由としてタバコのニコチンなどの成分が血管を収縮させて歯ぐきを低酸素状態にしたり、免疫力の低下を引き起こすためといわれています。


 歯周病を引き起こしやすい危険因子としては、喫煙、糖尿病、薬物、骨粗鬆症、過労、ストレス、睡眠不足などがあげられますが、歯周病が全身に及ぼす影響としては糖尿病、心臓血管疾患、肺炎、呼吸器疾患、早産、低体重児、胃潰瘍等などがあることがわかってきました。


 自らはタバコを吸わない人が他人が吸ったタバコの煙を吸うことを「受動喫煙」言います。WH0(世界保健機構)は昨年の5月の総会で「タバコの消費、受動喫煙が死や疾病をもたらすことは科学的に証明されている」ことを確認しました。その疾病の中には冠動脈疾患や肺がんが挙げられています。ただし学会レベルではその関連性についていまだに論議が続けられています。


 ヘビースモーカーは歯肉が低酸素状態であり、免疫力が低下していることが多いため歯周病菌に対して抵抗する力が劣ります。抵抗する力があると多量の血液が動員されるため歯肉が局部的に血管が拡張するので腫れて来るのですが、力が足りないとそうした症状が現れません。腫れとか痛みという自覚症状がないため何の対策も講じないうちに知らない間に骨が壊され続け、気がついた時には手遅れという事態になりかねません。


汚れた肺の写真を見たい方は下をクリックしてください

http://www.e-kinen.jp/00/gai.html
http://www.nicotinell.jp/kusuri/byo003.html

 

■戻る■