■ 歯肉出血 ■

歯肉出血

 ここでは外科処置後の出血ではなく、歯周病による歯肉出血について説明します。健康な状態の歯肉からは出血することはありません。出血というのはいわゆる『炎症』の際に現われる症状のひとつです。炎症が起こると、発赤、腫脹、疼痛ときには排膿やこれらに伴う組織の機能障害が現われます。出血はそのひとつです。細菌感染→細菌退治のための血液の動員が炎症という形になって現われるわけです。したがって出血のあるところ細菌感染ありと考えてくださって良いと思います。歯肉について言えば歯周ポケットが細菌感染、言い換えれば炎症の発現場所になります。

 出血はブラッシング時に見られることもありますが、歯ブラシが的確にポケット入り口に当たっていないと、炎症があっても出血しないことがあります。多くの場合歯科医院で歯周ポケット検査を受けた際に出血があって初めて炎症の存在に気づきます。

 当院では出血率(専門的に言えばBOP値)を計算して結果を差し上げています。出血率は歯周病の重度を表すというよりも、検査前の数日のブラッシングの的確さの指標になると考えています。つまり何日間か的確なブラッシングを行っていないと、食物残渣がポケット内にたまり、それが細菌の侵襲を受けてプラーク化し、炎症を来すからです。 

 歯槽骨などの歯周組織に大きな病変がない歯肉出血は正しいブラッシングを励行することで十分改善します。


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