■ スケーリングとルートプレーニング ■

  スケーリングおよびルートプレーニングはいずれも歯牙および歯周に対して歯科医師または歯科衛生士が行う医療行為のことです。そのうちスケーリングは歯石除去のことであり、ルートプレーニングは滑沢できれいな歯根面をつくりだす処置のことを言いますが、両者は別々のことではなくスケーリングの延長線上にあるより完全な処置がルートプレーニングであると言えます。                          


 スケーリング(歯石除去)とは歯面に付着している歯石を除去する過程を言います。歯肉縁上スケーリングと歯肉縁下スケーリングを区別することもあります。いずれも手用スケーラーまたは超音波スケーラーという器具を用いて行います。歯肉縁下スケーリングに際しては局所麻酔が施される場合があります。また歯周病の予防目的で行われるスケーリングは歯肉縁上にとどまりますが、歯周疾患の治療として行われる場合は歯肉縁下スケーリングが主体となります。        一方ルートプレーニングとは、取り残しのプラークや歯石、変性したセメント質を除去し滑沢で硬く清潔な歯根面を作り出す過程を言います。両者の目的はプラークや歯石、変性したセメント質などの炎症を惹き起こす因子をとり除くことによって、歯周組織を健全な状態に戻すことです。ポケットが歯根面深くに及んでいる時は、ブラッシングの際にプラークを除去しやすい平滑な歯根面をつくることで歯周組織を健康な状態に保つことができます。