■ 顎関節症 ■

  顎関節症とは、顎の関節(耳のちょっと手前に指を当てて下顎を動かしてみるとその位置を感じることができます)が口の開閉時に痛んだり、また大きく口を開けることができなかったり、あるいは咀嚼するとき関節音を感じるなどの症状をもつ顎周辺の機能障害を総称して表現したものです。
 その他の症状としては強く噛みしめると痛みを感じたり、高度な場合は左右の顎関節の動きがちぐはぐになったように感じることもあります。


 
原因は一定ではなく、歯の咬合関係(かみあわせ)に問題がある場合歯科治療を受ける際に長時間にわたって開口していた後発現することもあり、また外傷を受けた場合や精神的なストレスが原因となる場合があると言われています。

 
治療法としてはまず歯のかみ合わせに異常がないかどうかを調べます。明らかな異常が見つかれば原因を除去するための治療を行います。かぶせ物(冠・ブリッジなど)や義歯の不適合があれば作り直す必要があります。
 
明確な異常が見つからない場合は、しばらくバイトプレート(マウスピース)を装着して顎関節の緊張を和らげます。これは比較的軟らかい素材であるため、自然なかみ合わせに近いかみ合わせ関係を一時的に実現させることができます。これで症状が緩解すれば、咬合関係をさらに精査して原因を突き止め咬合の改善のための治療をします。無傷の天然の歯でも調整の対象になることがあります。
 
 痛みが強い場合は一時的に関節の緊張を和らげる薬を服用することも必要になります。
また顎の関節に関わる筋肉のトレーニングを行う場合もあります。
 顎関節は耳、さらには脳に近いためささいな異常でも大げさに感じることが多く、また気にし始めると気になって仕方がないと訴える人もいます。


 
精密な検査の結果異常がないことが判明した場合は、安心してあまり気にしないようにすることも大切なことです。