■■■ フラビーガム flabby gum ■■■

フラビーガム(摩擦性角化症)
フラビーガムとは義歯の不適合が原因で、歯肉がコンニャク状のブヨヴヨした状態になったものをいいます。少し専門的にいえば顎堤を覆っている粘膜組織が異常に可動性のある厚い粘膜になった状態と言えます。これは、義歯による慢性の機械的刺激により、歯槽骨吸収(顎の骨の一部が溶けること)と上皮結合組織(顎の骨の表面をおおている粘膜)の炎症性反応性増殖(こすれたり強く押されたりすること)に対して組織を守ろうとして腫れたり歯肉が増えてきた状態を言います。
長年大きな義歯を使用していると臼歯(奥歯)部の歯槽堤(義歯が載っている部分の骨)が溶けて低くなってくることがあります。すると義歯の奥の方が沈んできて、その結果前歯の方が強く当たるようになってきます。このような状態が長く続くと、いつも義歯が前歯部を中心に回転するように動き、前歯部の義歯が載っている部分の歯肉を摩擦するような力が働きます。この摩擦がいつまでも続くことにより前歯部の骨は次第に溶けてきて、その上を覆っている歯肉が反応して増殖し、その歯肉は骨の裏うちがないためブヨブヨの状態になるものです。
対処法はこのままでは義歯が安定しないので旧義歯をそのまま使用する場合は粘膜調整剤を使用して粘膜の調整を行い、義歯を新製する場合は外科的にブヨブヨの歯肉を切除する方法を取ります。いずれも義歯のりそう(裏打ち)または新製が必要になります。


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