■ エプーリス ■

 歯肉の病変のひとつです。エプーリスという言葉は”歯肉の上にあるもの”と言う意味で、歯肉部に生じた良性の限局性の腫瘤の総称です。歯垢(しこう)(プラーク)や歯石(しせき)その他の不適合歯科補綴物(ふてきごうしかほてつぶつ)(ブリッジ、入れ歯など)による慢性刺激が原因として考えられます。 妊娠性エプーリスは、妊娠初期から中期にかけてみられ、出産後は消失します。歯肉が赤く腫れます。歯頸部(しけいぶ)の歯肉に有茎状(ゆうけいじょう)(ポリープ様)または分葉状(ぶんようじょう)の腫瘤としてみられます。
 表面の粘膜(ねんまく)はピンク色で平滑なものが多く、かたさもやわらかくて弾力性のあるものから、骨に近いかたさを示すものまでさまざまです。
 大きくなると、やわらかい腫瘤では、対合歯(たいごうし)または食べ物などと接触して出血をくり返し、表面にびらんや潰瘍を形成します。繊維性の硬めのものや肉芽様の軟らかいものがあります。ただし悪性腫瘍を疑われる場合は組織の一部をとって顕微鏡で調べる(生検=せいけん)必要があります。
 一般的な治療としては外科的に切除します。