■ アブフラクション ■

 アブフラクションとは不自然な咬合力が原因となってエナメル質とセメント質の境目に生じる硬組織の欠損のことです。この部位は解剖学的にたわみやすいため応力が集中して咬合性外傷を受けることがあります。そのような場合に、不適当な歯ブラシの使用によって起こる磨耗と同様に歯頚部に楔状の欠損が生じます。咬合性外傷と磨耗のいずれが楔状欠損の原因であるかを診断することがその後の治療のために必要になります。いったんエナメル質が失われると露出した象牙質は磨耗しやすく、敏感であるため冷たいものにしみる、歯を磨くとしみるなどの症状が出ます。
 治療としては小さな欠損に対しては接着性樹脂の充填、知覚過敏に対しては鎮静療法、過度な疼痛に対しては抜髄(神経をとる)にいたる場合もまれにあります。また咬合性外傷が原因である場合は当然咬合の改善が必要になります。

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