■  EBM ■

 EBMとはEvidence Based Medicineの頭文字をとったもので、『根拠に基づいた医療』と訳すことができます。個々の患者の治療に関して、現在ある最良の根拠(evidence)を学問的に、また医師としての良心に基づいて、理解したうえで実践することです。EBMの実践に際してはすでにある学説や系統的な研究成果、疫学的データなどを踏まえこれらを根拠とした上で、医師個人の技量を十分に発揮することが求められます。また医師はそうしたデータや技量に偏って頼ることなく患者さん個人個人を十分に観察し病態をを理解した上で医療を行わなければなりません。
 収集しなければならない情報としては病因、頻度、診断、予後、治療法、予防法、副作用などがあり、収集した情報を縦横に検討した上で向き合っている患者さんへの適用が妥当かどうか、患者さんの求めるものに沿っているかどうかを検討します。さらに実際に適用が行われた場合それが妥当なものであったか、結果が期待したものと合致していたかを検討します。