口腔カンジダ症
   
 

口腔カンジダ症は真菌に属するカンジダ・アルビカンスによる小斑点状の苔のようなものが生じる口腔粘膜感染症で、口腔真菌症のなかでは最も多い疾患です。
急性型と慢性型のものがあります。カンジダ・アルビカンスは病原性が乏しい口腔内常在菌で、体の抵抗力(免疫・感染防御機能)が低下した時や、この菌に効かない抗菌薬を長期に投与された場合に生じますが、健康人にカンジダ症が発症することはきわめてまれです。
一般に発生の誘因として悪性腫瘍、血液疾患、エイズなどの免疫不全症、結核および糖尿病などの基礎疾患の存在があげられています。
このような基礎疾患を持たない場合の罹患者は乳幼児、老人、妊婦などの体力や抵抗力の弱い人がほとんどです。
また抗生物質療法によって口腔内常在菌のバランスが崩れ、しばしば菌交代現象として発生します。
好発部位
頬、口蓋、口唇および舌の粘膜で、歯肉に発症することはまれです。
一般的に痛みはイはあまりなく発熱などの全身症状も見られません。
 口腔カンジダ症は経過および症状の相違により4型に分けられます。

急性偽膜性カンジダ症
 
はじめは頬、口蓋、口唇あるいは舌の粘膜に白い苔状物が散在性もしくは孤立性に現れます。その後拡大傾向を示し、放置されると口腔粘膜が広範囲にわたり白苔で覆われるようになります。
 白苔は易剥離性で剥離後の粘膜びらん面は発赤し出血をきたしやすいです。
 この時期に強い摂食時痛がありますが、次第にこの白苔は剥離しにくくなります。

急性萎縮性カンジダ症
 
急性萎縮性(紅斑性)は抗生物質の長期使用による菌交代現象の結果として生じるものです。ほかにも急性偽膜性カンジダ症の被苔が除去されると本病型となる。自発痛の強いびらんが特徴である。
慢性肥厚性カンジダ症
 
急性偽膜性カンジダ症から移行したものが多いようです。白い偽膜は厚くなり粘膜上皮に固着して粘膜上皮層の肥厚と角化亢進を示します。
慢性萎縮性(紅斑性)カンジダ症
 
慢性萎縮性(紅斑性)カンジダ症は、義菌性口内炎とも呼ばれ、通常は口蓋粘膜の総義歯接触面に生じる。多くは無症状であるが、時に患部の浮腫や疼痛を訴える。 
鑑別診断
 悪性腫瘍、白板症、乳頭腫および乳頭腫症、ジフテリア、アフタ性口内炎、扁紅色苔癬などとの鑑別診断が必要です。
 確定診断には細菌学的検査によるカンジダ・アルビカンス
が存在することの証明が求められます。
治療法
口腔カンジダ症の治療には、アルカリ性含嗽剤である2%重曹水を用いて洗口させ、0.1%クロルヘキジンあるいはナイスタチン軟膏を患部に塗布します。
重症の場合には抗真菌性抗生物質アンホテリシンBの経口投与または点滴静注を併用します。

      

         調布市 竹内歯科医院 042-486-0381             

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